海街コミュニティ・スクールとは

代表からのメッセージ

ページをご覧いただきありがとうございます。東京海洋大学で水圏環境リテラシーの普及・教育について研究しております教授の佐々木剛と申します。

水圏環境リテラシーとは、人々と水圏(海洋、河川、湖沼)との相互作用を理解し活用する力のことです。水圏環境リテラシーを高めるためには、小さい頃から身近な水圏において、疑問を持ち、それを解き明かしていく水圏での活動を盛んにすることが一番大切です。
 
しかしながら、日本は島国であるにもかかわらず、水圏環境リテラシー教育の取り組みは十分ではありません。そのため皆様にとって水圏リテラシーはあまり馴染みのある言葉ではないかもしれません。それもそのはずです。水圏リテラシーの専門家は日本に一人、私しかいないと言われているのが現状です。
 
水圏は一部の人のためのものではありません。そのため私は大学で研究をするだけではなく、大学という枠組みを超え、地域の学校と社会が連携し、地域の子ども達が主体となって地域の課題解決に取り組む仕組みづくりが必要だと考えています。この取り組みを実現しようとしているのが、「東京海洋大学海街コミュニティ・スクール」です。
 
しかし全国的に十分にその活動が広がっているとは言えない状況です。将来的には、東京海洋大学で養成している「水圏環境教育推進リーダー(以下、水圏リーダー)」が各地で水圏教育をリードすることで、全国に「海街コミュニティ・スクール」を拡大していきたいと考えています。
 
海街コミュニティスクールを通し、全国、そして世界各地の子どもたちが連携し「ひとと自然そして人と人のつながり」を大切にする「和の心」を育んでいければと思います。
 
地域やその周囲の自然環境や生き物、そして人々に対する思いやりを育む機会を作るために。そして、物事を俯瞰して捉えることができる持続可能な社会の創り手としての「生きる力」を育むことが可能となる未来を目指して。
 
ぜひ皆様からのあたたかな応援をよろしくお願いします。
 

東京海洋大学海街コミュニティ・スクール

代表 佐々木剛

東京海洋大学 教授
佐々木剛

【メッセージ】

東京海洋大学海街コミュニティ・スクールは、水圏環境教育推進リーダーを派遣し、地域の子ども達の地域活動をサポートする事業です。現在は港区に設置された港南海街コミュニティ・スクールの活動をサポートしています。子どもたちの課題意識「〇〇を〇〇したい!」を大切に育んでいきたいと思います。

【経歴】 

岩手県宮古市生まれ。
1966年6月 岩手県宮古市生まれ
1985年3月 岩手県立盛岡第一高等学校卒業
1986年4月 東京水産大学入学(1990年3月卒業)
1990年4月 岩手県立宮古水産高等学校教諭
1995年4月 上越教育大学大学院自然系理科教育専攻入学(現職のまま)
1997年3月 上越教育大学大学院自然系理科教育専攻修了
1997年4月 岩手県立宮古水産高校教諭(2006年3月まで)
2006年4月 国立大学法人東京海洋大学海洋生命科学部海洋政策文化学科准教授
2018年4月 国立大学法人東京海洋大学海洋生命科学部海洋政策文化学科教授

高校教諭時代、水産生物を担当し、生徒たちの学習効果を高めるために閉伊川での魚類フィールド調査を開始。今までいないとされたワカサギを発見。ワカサギの生態学研究を生徒と一緒に取り組む。2004年3月、ワカサギの生態研究で、水産学博士号を取得。2006年4月、東京海洋大学へ移り、文科省現代GP「水圏環境リテラシー教育推進プログラム」を担当、水圏リーダーの育成に従事する。2008年宮古市にてさんりくESD閉伊川大学校を立ち上げる。2010年、水圏リーダーと地元中学校とともに運河学習をスタート。20017年、本プログラムがユネスコの海洋リテラシーツールキットに掲載される。2020年、ユネスコ海洋リテラシー教育プログラムメンバーに選出され、2021年、国連海洋科学の10年の正式プロジェクトとして認定された。
 
上越教育大学大学院修士課程修了、東京水産大学水産学研究科修了。岩手大学非常勤講師、早稲田大学「海への誘い」担当講師。港区環境審議会委員、宮古市環境委員。希望郷岩手文化大使、日本水圏環境教育研究会理事、海と日本プロジェクトin 東京 理事。アメリカ海洋教育学会会員、アジア海洋教育学会会長。